空色プレリュード
‥あれ?まだ、解決してないことがあるような‥。
「ねぇ、千明くん。その傷はどうしたの?転んだわけじゃないよね?」
私が千明くんの方を向くと千明くんは恥ずかしそうに視線をそらせた。
「本当にお前は鋭いところつくよな。わかった。言うよ。‥花音が倒れた時、舞台裏に行った時で、俺‥ついカッとなって実行委員の先輩にふざけんな!て言ったんだ。」
「ええ!?嘘でしょ!?」
「本当だよ。‥まぁ、それで‥頭冷やしてその後に謝りに言ったんだよ。そしたら殴られた。‥別に殴らなくてもいいのにな。」
千明くんは絆創膏をはってあるあたりをなでていた。
「あぁ‥。それもこれも全部、私のせいだよね。本当にごめんね!」
「花音のせいじゃない。花音が受けた傷に比べたら、たいした傷なんかじゃないんだ。」
千明くんが優しく微笑んだ。
「ち‥千明くん‥。」
「なーんてな。ほら、それよりもやぐら!見なきゃ損、するよ!」
そう言うなり千明くんはすぐやぐらの方へと向いてしまった。
本当に恥ずかしがりやな人だ。
私はそんな千明くんの姿を見て笑ってしまった。
やぐらは私たちのように熱く燃えていた。