空色プレリュード
「わかった。決まったら、花音から連絡をちょうだい。じゃあ凛子先生によろしくね!」
そう言ってお母さんは電話を切った。
私はどうしていいか本当にわからなかった。
一人ではどうしていいか‥
私は家を飛び出して走り出した。
私が向かった先は‥
「凛子先生!!!」
ピアノ教室だった。
凛子先生は教室で一人、仕事をしていたようだった。
「あれ?花音?今日はレッスンなかったよね?どうしたの?」
「せ‥先生、どうしよう!わ‥私、留学してチゲル・エレーナの弟子にならないかて!ど‥どうしよう‥どうしたらいい?先生!」
慌ててたせいもあってとても早口になった。
「落ち着きなさい花音。深呼吸しなさい。深呼吸を。」
私はゆっくりと大きな息をはいた。
体が落ち着きを取り戻すのがわかった。ふと正気に戻った。
「すみません。突然のことで取り乱してしまいました。」
「‥花音はどうしたいの?留学したい?それとも国内でやりたい?」
「わかりません。自分がどうしたいのかも、よく分からなくなってしまいました。」
私はピアニストになりたいのかもなりたくないのかすらも分からない‥
完全に自分を見失っていた‥。
「自分の心に手をあててよく考えなさい。あのエレーナから誘われるなんてすごいことだと思うよ私は。花音の才能が認められた証拠だと思う。これは花音が決めなさい。」
「‥‥はい‥‥。」
私は‥‥本当は‥どうしたいのかな?
みんなの想い
あれから一晩、考えたけど答えは出なかった。自分がどうしたいというところから前に進めなかった。
それから1週間も考えたがなかなか答えが出なかった。
私と結ちゃんはある昼休みに校庭を散歩しながら留学のことを話していた。
「やっぱ、花音てすごいね。世界から声がかかってるんだもん。」
「すごくなんかない。私の力はまだまだだよ‥。」
すると結ちゃんは笑いながら言った。
「またまた、謙遜しちゃって‥。‥この高校からピアノ留学なんてしたらすごいよね。そうなったら花音はこの学校の誇りだよ。」
「や‥やめてよ!そんなんじゃ‥。」
そう言うと、結ちゃんは真剣な顔で言った。
「私はやってみる価値はあると思うよ。‥私も花音と同じ立場だったら‥悩むと思う。でも花音、あるかないかのチャンスだよ、こんなの。」
「‥‥‥‥。」
結ちゃんの真剣な言葉にひるんでしまう。
「‥花音が留学してしまうと‥私、寂しいけど、これは花音の人生だから。私は花音がどんな答えを出しても絶対に応援する!」
「結ちゃん‥‥‥。」
私は結ちゃんの熱い激励に感動していた。
カツン!
そんなときだった。近くの弓道場の方から音がした。
私は気になって弓道場に行った。
弓道場は弓が飛んでいかないように、まわりがフェンスで囲まれている。
フェンスごしに見てみると一人の男子生徒が昼休みを利用して弓道の練習をしていた。
それは‥
「樹生くん‥」
弓道部で結ちゃんが想いを寄せている樹生くんだった。
結ちゃんを見ると少しくもった表情をさせていた。
「ごめん。花音、ちょっと私、先に行くね。」
「う‥うん。」
結ちゃんは逃げるようにその場を立ち去った。
私は樹生くんの練習を見ることにした。
しばらくして樹生くんは私があることに気づいたようだった。
「あれ、花音?‥めずらしいな‥。」
樹生くんは声をかけてきてくれた。
そう言ってお母さんは電話を切った。
私はどうしていいか本当にわからなかった。
一人ではどうしていいか‥
私は家を飛び出して走り出した。
私が向かった先は‥
「凛子先生!!!」
ピアノ教室だった。
凛子先生は教室で一人、仕事をしていたようだった。
「あれ?花音?今日はレッスンなかったよね?どうしたの?」
「せ‥先生、どうしよう!わ‥私、留学してチゲル・エレーナの弟子にならないかて!ど‥どうしよう‥どうしたらいい?先生!」
慌ててたせいもあってとても早口になった。
「落ち着きなさい花音。深呼吸しなさい。深呼吸を。」
私はゆっくりと大きな息をはいた。
体が落ち着きを取り戻すのがわかった。ふと正気に戻った。
「すみません。突然のことで取り乱してしまいました。」
「‥花音はどうしたいの?留学したい?それとも国内でやりたい?」
「わかりません。自分がどうしたいのかも、よく分からなくなってしまいました。」
私はピアニストになりたいのかもなりたくないのかすらも分からない‥
完全に自分を見失っていた‥。
「自分の心に手をあててよく考えなさい。あのエレーナから誘われるなんてすごいことだと思うよ私は。花音の才能が認められた証拠だと思う。これは花音が決めなさい。」
「‥‥はい‥‥。」
私は‥‥本当は‥どうしたいのかな?
みんなの想い
あれから一晩、考えたけど答えは出なかった。自分がどうしたいというところから前に進めなかった。
それから1週間も考えたがなかなか答えが出なかった。
私と結ちゃんはある昼休みに校庭を散歩しながら留学のことを話していた。
「やっぱ、花音てすごいね。世界から声がかかってるんだもん。」
「すごくなんかない。私の力はまだまだだよ‥。」
すると結ちゃんは笑いながら言った。
「またまた、謙遜しちゃって‥。‥この高校からピアノ留学なんてしたらすごいよね。そうなったら花音はこの学校の誇りだよ。」
「や‥やめてよ!そんなんじゃ‥。」
そう言うと、結ちゃんは真剣な顔で言った。
「私はやってみる価値はあると思うよ。‥私も花音と同じ立場だったら‥悩むと思う。でも花音、あるかないかのチャンスだよ、こんなの。」
「‥‥‥‥。」
結ちゃんの真剣な言葉にひるんでしまう。
「‥花音が留学してしまうと‥私、寂しいけど、これは花音の人生だから。私は花音がどんな答えを出しても絶対に応援する!」
「結ちゃん‥‥‥。」
私は結ちゃんの熱い激励に感動していた。
カツン!
そんなときだった。近くの弓道場の方から音がした。
私は気になって弓道場に行った。
弓道場は弓が飛んでいかないように、まわりがフェンスで囲まれている。
フェンスごしに見てみると一人の男子生徒が昼休みを利用して弓道の練習をしていた。
それは‥
「樹生くん‥」
弓道部で結ちゃんが想いを寄せている樹生くんだった。
結ちゃんを見ると少しくもった表情をさせていた。
「ごめん。花音、ちょっと私、先に行くね。」
「う‥うん。」
結ちゃんは逃げるようにその場を立ち去った。
私は樹生くんの練習を見ることにした。
しばらくして樹生くんは私があることに気づいたようだった。
「あれ、花音?‥めずらしいな‥。」
樹生くんは声をかけてきてくれた。