空色プレリュード




空色プレリュード


私は着々と準備を留学の進めていた。

フランスは3月から授業が始まるから、2月の中旬には日本を出発しないといけなくなる。

そして年も明けて1月に入った。

3月からはフランスに留学することも決まった。手続きもすんだという連絡がお母さんから入った。


‥いよいよだ‥。


私は気が引き締まる思いだった。







「3月になったら花音にはもう、会えないね‥。寂しいね‥。」

学校の廊下で結ちゃんが言った。


「うん。‥私も寂しい‥。でも夢、叶えたいから‥。ごめんね結ちゃん。勝手に決めちゃって‥。」

結ちゃんには少し申し訳ない気持ちだ。

「そんなに落ち込まないで。私は花音の選んだことだから応援するよ!私も花音の夢、叶ってほしいしね。」

結ちゃんは笑って言った。

「ありがとう結ちゃん。私、頑張るから。」

私は決意を新たにする。

「花音。‥離れてても友達だからね。私は花音のこと絶対に忘れないから‥。」

結ちゃんの力強い言葉にうるっときてしまう。

「‥うん。ありがとう。私も忘れない。」


絶対に‥結ちゃんのことは忘れない‥。忘れることなんかできない!

だって私と結ちゃんの友情は永遠に続くから‥。











2月に入った。出発の日が近づいてきた。



「花音!」


学校で私は樹生くんに呼び止められた。

「あっ、樹生くん!」

私は声のする方を向いた。

こんなふうに樹生くんと話すのは弓道場以来だった。

「花音。留学、頑張れよ‥。」

それは樹生くんなりのエールだった。少し照れてるのがまた、かわいい。

「あ‥ありがとう‥。頑張るね‥。樹生くんも結ちゃんと仲良くね。」

私も私なりのエールを樹生くんに送る。


「あいつのことはまかせろ。絶対に泣かせたりなんかしないから!どんな敵からも俺が守ってやる!」


以前とは比べ物にならないぐらいの自信だった。

すると樹生くんは真剣な顔になった。

「花音。俺と結をくっつけてくれてありがとう。花音にはすごく感謝してる。本当にありがとう!」

樹生くんは頭を私に下げた。

「私は何もしてないよ‥。私はただ話聞いてただけだから。幸せになってね。」

「うん。幸せになるよ。」


樹生くんはまた、笑顔に戻った。




私は本当にいい人達と出会えてよかった。結ちゃん、樹生くんありがとう!

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