空色プレリュード
とうとう‥出発の日がやって来てしまった。
「‥‥‥‥‥。」
出発前に私はLINEを見て少し固まっていた。
なぜなら‥
結ちゃんからのLINEには‥
ごめん!今日は用事があって見送りに行けないんだ。花音!頑張れ!日本から応援してるね!
樹生くんからのLINEには‥
今日はお腹がすっごく、すっごく、すっごく痛いから見送りに行けなくなった!元気で体に気をつけてな!
‥ていう2人からのLINEだった。
結ちゃんのは、まだわかるけど樹生くんのはすごく嘘くさい。
樹生くんは嘘が下手くそだったんだね‥。
私は荷物を持って、家を出た。
いろんな思い出のつまった家を出るのは、少し寂しかった。
さよなら‥。また、戻ってくるね。
私は心の中で別れを告げた。
空港で私は迎えに来たお母さんと合流し、飛行機の時間を待っていた。
すると‥
「花音!!」
その声に振り向くと千明くんが走って来るところだった。
「ち‥千明くん!?」
私は思わず立ち上がった。‥連絡も一切なく、もう会えないと思ってたから‥
「あら、花音のボーイフレンド?」
お母さんが嬉しそうに言う。
「う‥うん。彼氏だよ‥。」
そう言うとお母さんは頬を赤らめた。
「じゃあ、お母さんお邪魔みたいね。時間になったら呼びに来るからそれまで向こうに行ってるわね。」
そう言ってお母さんは向こうへ行ってしまった。