空色プレリュード



とうとう‥出発の日がやって来てしまった。



「‥‥‥‥‥。」


出発前に私はLINEを見て少し固まっていた。

なぜなら‥




結ちゃんからのLINEには‥


ごめん!今日は用事があって見送りに行けないんだ。花音!頑張れ!日本から応援してるね!



樹生くんからのLINEには‥


今日はお腹がすっごく、すっごく、すっごく痛いから見送りに行けなくなった!元気で体に気をつけてな!






‥ていう2人からのLINEだった。

結ちゃんのは、まだわかるけど樹生くんのはすごく嘘くさい。



樹生くんは嘘が下手くそだったんだね‥。





私は荷物を持って、家を出た。



いろんな思い出のつまった家を出るのは、少し寂しかった。

さよなら‥。また、戻ってくるね。

私は心の中で別れを告げた。








空港で私は迎えに来たお母さんと合流し、飛行機の時間を待っていた。

すると‥



「花音!!」




その声に振り向くと千明くんが走って来るところだった。


「ち‥千明くん!?」

私は思わず立ち上がった。‥連絡も一切なく、もう会えないと思ってたから‥

「あら、花音のボーイフレンド?」

お母さんが嬉しそうに言う。

「う‥うん。彼氏だよ‥。」


そう言うとお母さんは頬を赤らめた。

「じゃあ、お母さんお邪魔みたいね。時間になったら呼びに来るからそれまで向こうに行ってるわね。」

そう言ってお母さんは向こうへ行ってしまった。

< 59 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop