ネガイボシ
六,山頂に隠された真実
山に登り初めると、何だか懐かしい気分になった。
中学生の頃は、この道を進むのが辛くて辛くて仕方がなかった。
足は痛いし、息は切れるし、……。
体力のない私には、苦痛でしかなかった……気がする。
それなのに今はこんなにもふわふわしてる。
何か不思議だなー、これ……―――
「雅樹、疲れてない?大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ。もう結構歩いた気がするけど……なかなか着かないね。
1234メートルをバカにしてた」
雅樹が少し照れたように笑った。
「本当に?
かなり上に来たから寒くもなってきたんじゃない?」
「心配ないよ。歩いてるから割と平気だしさ」
雅樹はそう言って笑ったけど、寒くないはずがない。
今の雅樹は、Tシャツに長袖のシャツを羽織っただけで、登山をするような格好じゃないから……。
早く頂上に着いてほしい。
私の頭の中は、そのことでいっぱいだった……――――
「千夏! あれっ!!」
中学生の頃は、この道を進むのが辛くて辛くて仕方がなかった。
足は痛いし、息は切れるし、……。
体力のない私には、苦痛でしかなかった……気がする。
それなのに今はこんなにもふわふわしてる。
何か不思議だなー、これ……―――
「雅樹、疲れてない?大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ。もう結構歩いた気がするけど……なかなか着かないね。
1234メートルをバカにしてた」
雅樹が少し照れたように笑った。
「本当に?
かなり上に来たから寒くもなってきたんじゃない?」
「心配ないよ。歩いてるから割と平気だしさ」
雅樹はそう言って笑ったけど、寒くないはずがない。
今の雅樹は、Tシャツに長袖のシャツを羽織っただけで、登山をするような格好じゃないから……。
早く頂上に着いてほしい。
私の頭の中は、そのことでいっぱいだった……――――
「千夏! あれっ!!」