ネガイボシ
半分くらい進んだ所で、周りよりも少しだけ、草が薄い部分があった。
不思議に思って覗き込んでみる。
普段はこんなことはしないけど、手で草をのけられない代わりに、そこにしゃがんで顔を近付けた。
よく見ると、そこには平らな、黒っぽい石があった。
大きさはいつも学校で使ってるノートの見開き分くらいかな?
土で半分以上隠れててよくは見えないけど、何かの図形が書いてあるのか、いくつかの直線が見える。
「雅樹っ!ここ! これ見てっ!!」
別の方向を見ていた雅樹が、私の指差した石にかかる土をどけた。
「これだ……」
出てきたのは『ななよ』という文字。
その下には何か文章が書いてあるけど、ほとんどが削れてしまっていてそれを読むことはできなかった。
さらに下を見ると、そこにはさっき私が見た図形の全てが顔を出している。
「1、2、……」
ゆっくりとその頂点の数を数える。
「……、5、6、7。
七芒星……空に出てたのは、七芒星の頂点だったんだ。それでこれが、ななよさんの……」
「……七夜伝説の起源だ」
私は、墓石にそっと手を伸ばした。