愛していました
「お母さん、あのね」

「なに?」

「妊娠したの」


震えた私の声が響いて

母の手が止まる

「嘘でしょう?」


母は表情を変えなかった
でも分かった、声が泣いていた


「本当」


いつまでも優しかった
これが母親の愛情なのだろうか


恐ろしいくらいに優しく


その感情は私には見せない
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