愛していました
「お父さんにちゃんとこのことを言うのよ」
「うん」
怖かった。父だけには言いたくなかった。
「おお、青海
今日学校どうだった?」
「行ってない」
「どうして?具合でも悪いのか?」
「違う。でも病院に行った」
「なんで?風邪か?」
「産婦人科に」
「…え?」
「私、妊娠した」
父は唖然としていた
「嘘だろう?なんか、あれだろ?
母さんと一緒に嘘ついてんだろ?
今日はエイプリルフールだっけか」
涙目の父を見て
私も泣きそうになる
「本当だよ」
きっとこのあともなにか話してただろうか
恐怖で覚えていない
「相手は?相手は誰だ」