泣かないで、楓
あーあ。正月から仕事かぁ。僕は衣装チェックの為、スーツケースのボタンを開けながら、ふと思った。友達はみんな故郷に帰ったり、旅行に出かけたりしている。こんな時に働くなんて、愚痴らずにはやってられない。
年末も正月のショーのリハーサルで、おめでたさも何も感じずに、今日を迎えた。みんな今頃、何をしてるんだろう。暖かい布団の中で、ゆっくり寝てるのかな。
「面(めん)だろ、タイツ、スーツ、剣、全部あるな」
僕は独り言をぶつぶつと呟き、ハァーッ、と大きくため息をついた。他人の幸せを想像していたら、若干うらめしさを感じてきた。部屋の中なのに、吐き出す息がとても白い。ますます自分から、負のオーラが出ている様に感じた。
年末も正月のショーのリハーサルで、おめでたさも何も感じずに、今日を迎えた。みんな今頃、何をしてるんだろう。暖かい布団の中で、ゆっくり寝てるのかな。
「面(めん)だろ、タイツ、スーツ、剣、全部あるな」
僕は独り言をぶつぶつと呟き、ハァーッ、と大きくため息をついた。他人の幸せを想像していたら、若干うらめしさを感じてきた。部屋の中なのに、吐き出す息がとても白い。ますます自分から、負のオーラが出ている様に感じた。