泣かないで、楓
「はいはい。おめでとさん」
源場社長の目から、ハッキリと『邪魔をするな』と言う視線をぶつけられた。
「しゃ、社長。こんな朝からどうしたんですかぁ?」
浅沼さんは、社長の頭ガシガシ攻撃を何とか振りほどき、体制を整えなおした。
「どうしたも何も。今日はワシも現場に出る」
「ええっ!?」
僕と浅沼さんは、同時に大きな声を上げた。
「ほ、本気ですかぁ?」
浅沼さんはオロオロした目つきで、現場社長に声をかけた。
「ワシだって、十数年前までは現役だったんだ。今の若いモンには負けんよ」
源場社長は若い頃、バリバリのスーツアクターとして活躍していた。現在の様なビール腹ではなく、腹筋が何個も割れていた頃らしい。
しかし、あるショーの最中、バク転を大きく失敗してしまい、左足の筋に大きなケガを追い、その後は一線を退いた。が、ショーの仕事から離れたくない為、自分で今の事務所を作り、現在に至る。
……と言う武勇伝を、飲み会の度に聞かされるので、すっかり覚えてしまった。
源場社長の目から、ハッキリと『邪魔をするな』と言う視線をぶつけられた。
「しゃ、社長。こんな朝からどうしたんですかぁ?」
浅沼さんは、社長の頭ガシガシ攻撃を何とか振りほどき、体制を整えなおした。
「どうしたも何も。今日はワシも現場に出る」
「ええっ!?」
僕と浅沼さんは、同時に大きな声を上げた。
「ほ、本気ですかぁ?」
浅沼さんはオロオロした目つきで、現場社長に声をかけた。
「ワシだって、十数年前までは現役だったんだ。今の若いモンには負けんよ」
源場社長は若い頃、バリバリのスーツアクターとして活躍していた。現在の様なビール腹ではなく、腹筋が何個も割れていた頃らしい。
しかし、あるショーの最中、バク転を大きく失敗してしまい、左足の筋に大きなケガを追い、その後は一線を退いた。が、ショーの仕事から離れたくない為、自分で今の事務所を作り、現在に至る。
……と言う武勇伝を、飲み会の度に聞かされるので、すっかり覚えてしまった。