泣かないで、楓
目覚ましの鈴の音がジリリリリリ、と部屋中にけたたましく鳴り響く。僕は布団の中からモゾモゾと手を伸ばし、スイッチを切った。
眠気まなこで辺りを見渡せば、何てことはない、いつもの僕の部屋だった。だらしなく床に投げ出されたTシャツ、読みかけのマンガ雑誌、食べカスだらけのお菓子の空き箱。いつも通りでホッとした。
少し破けた網戸にはセミがとまっており、ミンミンと自分の存在をアピールする様に鳴いている。
「夢……」
随分懐かしい夢だった。しかし、こんな日には見たくない夢だった。寝汗をたっぷりとかいた様で、着ていた真っ白いTシャツは、汗でベタベタになっていた。
あんな純粋な気持ち、いつから無くなったんだろうな。僕は頭をバリバリと掻きむしり、周辺にフケをまき散らす。
「何だよ。起きられないからヒーロー失格って。バカバカしい」
僕は伸びをして、大きくあくびをした。そして時計の針を見つめた瞬間、全ての動きが止まった。
現在の時刻、朝5時30分。
眠気まなこで辺りを見渡せば、何てことはない、いつもの僕の部屋だった。だらしなく床に投げ出されたTシャツ、読みかけのマンガ雑誌、食べカスだらけのお菓子の空き箱。いつも通りでホッとした。
少し破けた網戸にはセミがとまっており、ミンミンと自分の存在をアピールする様に鳴いている。
「夢……」
随分懐かしい夢だった。しかし、こんな日には見たくない夢だった。寝汗をたっぷりとかいた様で、着ていた真っ白いTシャツは、汗でベタベタになっていた。
あんな純粋な気持ち、いつから無くなったんだろうな。僕は頭をバリバリと掻きむしり、周辺にフケをまき散らす。
「何だよ。起きられないからヒーロー失格って。バカバカしい」
僕は伸びをして、大きくあくびをした。そして時計の針を見つめた瞬間、全ての動きが止まった。
現在の時刻、朝5時30分。