君が涙を忘れる日まで。


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目が覚めると、俺は制服のまま……俺を見下ろしていた。

目を瞑ったままの俺、色んなコードが布団の中から伸びている。


死んだかどうかなんて、どうでもよかった。


そのまま病室を出た俺は、キョロキョロと辺りを見渡す。



「幸野……君?」



その声を聞いた途端、涙が溢れてきた。


でも俺は、必死にそれを拭い、振り返る。


酷く怯えた様子で、不安そうな目で俺を見ている。



ようやく……俺を見てくれた。



「樋口……」


ゆっくりと歩み寄り、怖いくらい静かな廊下で見つめ合った。


「幸野君、私のことが見えるの?」

「……えっ?ああ」


そう言った瞬間、樋口の表情が少しだけホッとしたように見えた。


「私、死んだのかな……」

「いや、分かんねぇけど」


どこに行くと決めたわけじゃないけど、俺達は歩き出した。


「幸野君は、なんでここにいるの?」

「ばっ……ばあちゃんが入院してて、気づいたら寝ちゃってさ……」

「そっか……」




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