君が涙を忘れる日まで。
怪我が完治するまで電車通学になった幸野君と一緒に、並んで歩き出す。


「漫画貸すから、テスト終わってからちゃんと読めよ」

「う~ん、でもさ、私漫画は胸キュン甘甘しか受け付けないんだよね」

「は~?なんだそれ、そんなもんばっか見てたら脳みそピンクになっちまうぞ」

「いいじゃん、可愛くて」

「そういう問題じゃねーよ」

「幸野君こそ、脳みそバスケットボールになっちゃうよ」

「おう!それなら本望だ!」










短い旅をしたあの日


胸の痛みに耐えながら、二人で歩いた道を


私達は今、大声でお腹が痛くなるくらい笑って


そうやって歩いてる。





全てが消えたわけではないけれど、


こうして笑いながら、明日に向かって少しずつ



きっと、進んで行けるから……。






「とりあえずさ、約束のたこ焼き、おごってやるよ」


「うん、ありがとう」




私は隣にいる幸野君を見上げ、微笑んだ。























ーENDー












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