君が涙を忘れる日まで。


「あとさ、園田君じゃなくて修司でいいよ」


「私も……奈々でいい」





毎朝乗る電車の中で、まず一番に探していたのは、修司の姿だった。

変わらない通学電車、変わらない彼の横顔。


私はいつの間にか、恋をしていたんだ。


窓から見える景色がどんなに綺麗だったとしても、何も覚えていないくらい、私は修司を見つめていた。



だけど……。





ーーーさよなら、通学電車。



 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
< 18 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop