君が涙を忘れる日まで。
部屋に戻ると、ベッドの下に転がっている手袋が目に入ってきた。


今日はクリスマス。日曜日で学校に行かなくてもいいというのだけが、唯一の救いだった。



今頃香乃は、手袋を渡してるんだろうか……。

修司は今、どんな顔をしてるの?

二人で笑い合っているのかな。



もしも今、修司の隣にいるのが香乃じゃなくて、私だったなら……。




明日は終業式。

早く冬休みになってほしい。修司に会いたくない。香乃にも……。



今の私の心は、このほつれた手袋そのものだ。






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