君が涙を忘れる日まで。
失恋なんてどうってことない。
ただ少し泣いて、しばらくの間は元気がなくて友達に心配されたり、部活にも身が入らなくなって……。
黙ってても時間は流れてくれるんだから、この思いもいつかはきっと。
私さえ普通にしていればいいんだって思ってた。
でも実際は、幸野君の言う通りだったんだ。
無理にきまってる。
「新学期が始まれば少しはスッキリするのかなって思ったけど、駄目だったんだ」
「そりゃそうだろ。失恋の痛みはよく分かんないけど、そんな簡単なら思い出しただけで泣いたりなんかしねぇよ」
失恋したからじゃないんだ。
多分それは、相手が香乃だったから。
子供の頃からずっと一緒にいた、大切な人だったから。
今さら私の気持を話して、香乃を悩ませたりしたくない。
でもこのまま何事もなかったかのように振る舞えるほど、私はまだ大人じゃなかった。
大好きな二人に一番近い存在の私は、ただ逃げることしか出来なかった。
これ以上傷つかないようにと、目を逸らして……。
*****
ただ少し泣いて、しばらくの間は元気がなくて友達に心配されたり、部活にも身が入らなくなって……。
黙ってても時間は流れてくれるんだから、この思いもいつかはきっと。
私さえ普通にしていればいいんだって思ってた。
でも実際は、幸野君の言う通りだったんだ。
無理にきまってる。
「新学期が始まれば少しはスッキリするのかなって思ったけど、駄目だったんだ」
「そりゃそうだろ。失恋の痛みはよく分かんないけど、そんな簡単なら思い出しただけで泣いたりなんかしねぇよ」
失恋したからじゃないんだ。
多分それは、相手が香乃だったから。
子供の頃からずっと一緒にいた、大切な人だったから。
今さら私の気持を話して、香乃を悩ませたりしたくない。
でもこのまま何事もなかったかのように振る舞えるほど、私はまだ大人じゃなかった。
大好きな二人に一番近い存在の私は、ただ逃げることしか出来なかった。
これ以上傷つかないようにと、目を逸らして……。
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