君が涙を忘れる日まで。
真剣にやっているはずの部活にも身が入らず、スタメン確実と言われていた私は、練習試合ですら一度もスタメンで出場することはなかった。
体育館にいれば嫌でも目に入る二人の姿。
それを見ないようにするだけで、精一杯だったんだ。
もうすぐ、もう少しで忘れられる。
心の中で自分に言い聞かせていたけれど、二人と距離を置いたまま時間だけが流れていった。
修司とはクラスメイトだからあからさまに避けることはできなかったけど、香乃との関係を問いただされることもなかった。
多分、香乃がなにも言わないで欲しいと修司に頼んだんだろう。
だから修司は、幼馴染という私達の関係に口を挟むことはなかった。
もしかしたら何も気づいていないのかも?って思ったこともあったけど、それは無い。
時々哀れむような目で、私を見ていることがあるから。
その視線を感じる度に、私の心は荒んでいった。