君が涙を忘れる日まで。
六時間目の科学の授業は、全く頭に入らなかった。
香乃より先に修司が体育館に来たら、それとなく話してみよう。
修司とちゃんと話をするのは久しぶりだけど、もうそんなことは言ってられない。
着替えをして体育館に着くと、男バスはすでにそれぞれシュート練習をしたりウォーミングアップをしている。
修司は隅の方でバッシュを履いていた。
体育館に入った私は、そのまま修司の元へ向かう。
「あのさ……」
私から修司に話しかけるのは久しぶりだからか、少し驚いたように目を見開き、私を見上げた。
「香乃が……」
「ねぇ園田君」
香乃のことを話そうとした時、男バスの二年生のマネージャーが修司に声を掛けてきた。
「園田君さ、香乃どうした?」
「え?」
「いつも一番早く来て得点ボード出したり全部準備してくれるんだけど、珍しく遅いから」
「いや、なにも聞いてないですけど」
香乃が一番に来て?
そんなことをしてたなんて、今まで知らなかった。
ただ修司の側にいたいからマネージャーになったんだと思ってたし、あの時も……。
『ただ誰かを見ているだけの香乃とは違う!』
手を振り払った時の香乃の顔が、脳裏に浮かぶ。
「まぁそのうち来るか」
「はい。休むとは言ってないし、来ますよ」
分からないけど、モヤッとしたなにかが胸の中に影を落とした。
香乃より先に修司が体育館に来たら、それとなく話してみよう。
修司とちゃんと話をするのは久しぶりだけど、もうそんなことは言ってられない。
着替えをして体育館に着くと、男バスはすでにそれぞれシュート練習をしたりウォーミングアップをしている。
修司は隅の方でバッシュを履いていた。
体育館に入った私は、そのまま修司の元へ向かう。
「あのさ……」
私から修司に話しかけるのは久しぶりだからか、少し驚いたように目を見開き、私を見上げた。
「香乃が……」
「ねぇ園田君」
香乃のことを話そうとした時、男バスの二年生のマネージャーが修司に声を掛けてきた。
「園田君さ、香乃どうした?」
「え?」
「いつも一番早く来て得点ボード出したり全部準備してくれるんだけど、珍しく遅いから」
「いや、なにも聞いてないですけど」
香乃が一番に来て?
そんなことをしてたなんて、今まで知らなかった。
ただ修司の側にいたいからマネージャーになったんだと思ってたし、あの時も……。
『ただ誰かを見ているだけの香乃とは違う!』
手を振り払った時の香乃の顔が、脳裏に浮かぶ。
「まぁそのうち来るか」
「はい。休むとは言ってないし、来ますよ」
分からないけど、モヤッとしたなにかが胸の中に影を落とした。