君が涙を忘れる日まで。
あんた達に香乃の何が分かるの?

香乃の笑顔は太陽みたいに暖かくて明るくて、誰にでも優しくできる子なんだ。


子供の頃からずっと、私は何度も香乃の言葉に救われてきた。

なにがあっても香乃は私の味方だった。

喧嘩をしたって、いつも先に謝るのは香乃の方で。

こんなにも大切だと思える友達に出会えたことは、きっと奇跡のようなもの。


ずっとずっと大切にしていきたいって、そう思ってたのに……。




『香乃のおもちゃ、貸してあげるよ』



『大丈夫。私も一緒に謝るから』



『約束を忘れないように、ちゃんと紙に書こうね。そしたら喧嘩しなくていいし』



『クラスのみんなに無視されても、私には奈々がいるから』



『ごめんね、奈々に心配かけたくなかったの』



『奈々がいれば、私は大丈夫だよ』



『私、奈々が試験に合格するようにってお願いしたの』



『好きな人ができたら、一番に報告するから』



『一緒に学校行こう』




『ねぇ奈々……大好き。ずっと友達だよ』







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