君が涙を忘れる日まで。
これまでくれた香乃の優しい言葉が、頭の中で何度も繰り返し流れてきた。
ごめん……。
ごめんね、香乃。
私やっぱり、香乃が泣くのは耐えられない。
香乃にはいつも笑っててほしい。
あなたが笑えばそれだけで、私の心は温かくなれるから。
香乃が泣くくらいなら……
私が代わりに泣くから。
大好きな幼馴染、姉妹のように育った私達。
これからもずっと、そうやって……。
「やめて!!」
大声を出した途端、四人が驚きの表情で振り返った。
私は四人の間から手を伸ばし、香乃の手を握った。
自分から振り払ったはずの、その細くて白い手を。
「香乃、こっち」
そう言って香乃を自分の方に引き寄せる。