君が涙を忘れる日まで。
私達は自然と立ち上がり、お互いの視線を合わせた。
「このまま終わらせるくらいならさ、思いっきり自分の気持をぶちまけて、思いっきり泣けよ」
「私……っ……」
その時、突然目の前がパッと青白く光った。
私は咄嗟に自分の手をかざす。
徐々に薄れていく明かりの中で、かざした手だけが尚も白い光を放っている。
「……えっ?な、なに?なにこれ」
焦りながら自分の手を何度も確認していると、腕、体、足とゆっくり広がっていく光。
「幸野君!これ……」
ちゃんと見たいのに、光のせいで幸野君の姿が霞んでいく。
「ねぇ、幸野君!私!」
そう叫ぶと、私の頬に大きな手がそっと触れる。
「この旅は、さよならをする旅なんかじゃなくて……、明日を迎える為の旅だったんだよ。きっとね」