君が涙を忘れる日まで。


  ***




ひとりになった教室の中、ポケットに忍ばせておいた物を取り出した。



ほんと、下手くそだな……。


でも……暖かい。





あいつにとって神様は意地悪な存在だったけど、俺にとっては違ったんだ。


なにも出来なかった俺に、本当の笑顔を取り戻す為の時間をくれた。




現実を受け止めるのは辛いし、泣くだろう。



それでも、全部を吐き出せた時



きっと、飛べるはずだから……。





頑張れ。



頑張れ、奈々。









  ***




< 77 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop