君が涙を忘れる日まで。
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お昼休みを迎えた頃には頭痛も治まってくれたから、なんとか部活には出ることが出来た。
体育は休んでも、部活は絶対休みたくなかったから。
これがいわゆる病は気からというやつなんだろうか。
今日は男バスはトレーニングルームの日だから、女子が体育館の半面全部を使うことができる。
体育館の四分の一で練習することが多いからか、半面使える日はとても貴重だ。
それに、男バスが体育館にいないということは、練習にも身が入る。
もうすぐ三年生は引退。
今までみたいに個人的な感情に流されていたら、十人いる二年の中でスタメンを勝ち取ることは出来ない。
頑張らなきゃ。
「奈々、だいぶ調子戻ってきたみたいじゃん。一時はスランプっぽかったけど」
「はい、なんか上手くいかなくて悩んでたんですけど、最近は絶好調です」
先輩の言葉にそう返事をし、スリーポイントの位置からシュートを放った。
「ここだけの話し、奈々が入ってきた時は三年のみんなかなり焦ったんだよ」
「えっ?」
「中学からやってただけあって上手かったし。私達が引退した後部員を引っ張るのは確実に奈々なんだから、頑張ってよ」
小声で伝えてくれた先輩の言葉が嬉しくて、思わず泣きそうになってしまった。
「はい、ありがとうございます!」
教室では無理だけど、体育館では二人がいてもいなくても、部活に集中しよう。
この場所でボールを触って汗をかいている時だけは、嘘をつかなくて済むから。