天国からの贈り物 上期

秀ちゃんの弟…。

陽菜『わぁ〜!ビルでかい!』

翼『めちゃめちゃ人いるし、はぐれたら終わりじゃん!』

奏多『やめてください。田舎丸出しじゃないですか!』

天『いや、田舎住民だからいいんじゃね?』

奏多『それにしたって限度ってもんがあるでしょう!恥ずかしい!!』

「まぁまぁ(^_^;)」

夏休みに入ったので、皆んなと一緒に私の家に
向かっている。みんな、新しい場所に興奮していた。

奏多『ところで、七瀬さんの自宅はここからどのくらいかかるのですか?』

「車で10分くらいかなぁ…(*´ω`*)」

全員『は?』

「…?どうしかしました?」

翼『車で10分かかるのに、歩く気か?』

「違う違う!迎えに来てくれるよ」

あたしの言葉に皆んなはホッとした顔をしたとき、ベンツが2台私達の前に停まった!

翼『おい!ベンツ2台も停まってるぜ!』

陽菜『ま、マジか…。』

「あっきた!」

ベンツ2台からスーツにサングラスをかけた人が車から出てきて私の前に立ち止まって頭を下げた。

運転手『お嬢!!お待たせいたしました。』

全員『へ?!』

「ありがとう(*´ω`*)急に頼んじゃってごめんね。」

運転手『いえ、大丈夫ですよ!お荷物お持ちします。』

皆んなは動揺を隠せないのか、呆然としていた。そして、翼が一番に声をあげた。

翼『はぁぁぁ?鈴、どういう事!?』

「まぁまぁ、とりあえず車に乗って!家についたら教えるから…」

私は皆んなの背中を押して、車に乗せた。
そして家に着くまでの10分間、天先輩以外に質問責めの公開処刑になった。

「皆んな、着いたよー」

翼『ベンツ初めて乗った…。座席ヤバ…。』

陽菜『な、な、なんだこれ!!』

陵『めっちゃデカッ!!』

車に続け、家のデカさに皆んな動揺していた。

奏多『何者ですか?』

「七瀬 鈴です。ここが私の家ですよ!さぁ、どうぞ!」

皆んなを家の中に誘導しようとした時、私を呼ぶ声が聞こえて振り向いた。

「えっ?」

『やっぱり、あれは鈴だったか!』

『よっ!鈴!』

「は、鳩刃!!神界!!」

私に声をかけたのは、中学時代の友人で私を含めて地元では有名なほど名が通っている。
最強トリオと言われてた時期もあった。

鳩刃『さっき車横切った時に鈴が見えたから、もしかしてと思って来た。』

神界『でも、鈴が元気そうで良かったぜ』

「会えて嬉しい!神界と鳩刃だぁ〜〜\(●´ω`●)/」

私は嬉しくて鳩刃と神界に抱きついた。

神界『本当に鈴は可愛いなぁ!』

鳩刃『俺たちも会えて嬉しいぜ!』

3人で盛り上がってると間を裂くように翼と天先輩が引き剥がした。

鳩刃『何しやがる!折角の再会を邪魔するなっ!』

神界『てか、あんたたち誰?』

「高校の友達と部活の仲間(*´ω`*)」

神界『なるほどな!俺は神界、鈴とは小学からの付き合いだ!』

鳩刃『俺は鳩刃、中学から一緒にいる。』

陽菜『まぁ、とりあえずよろしく』

陽菜の声を聞いて、神界と鳩刃は目を見開いて陽菜をみた。

陽菜『なっなによ!』

鳩刃『鈴!!女友達が出来たのか!?』

陽菜『どういうこと?』

神界『いや、鈴が女友達を作るなんて思わなくて…。』

意外そうな顔をしている2人はどこか嬉しそうだった。特に神界はホッとした表情をしていた。

私は天先輩たちを紹介した後、中に入った。


ガラガラッ

「ただいまー。」

全員『お邪魔します。』

ダダダダッ!

『『鈴、お帰り!!』』

「た…ただいま。お兄ちゃん、お姉ちゃん…。」

鈴兄『久しぶりだなぁ(^ ^)鈴の顔を見れるなんて幸せだあ』

「ちょっと、お兄ちゃん!」

鈴姉『兄貴!ズルイ!鈴〜寂しかったんだから〜。』

「ちょっと、お姉ちゃんもやめて〜( ´Д`)y━」

7人(うわぁ〜馬鹿兄・姉…)

やっと解放された私は、皆んなを部屋に案内した。天先輩たちは空室、陽菜たちは私の部屋。

陽菜『ここが鈴の部屋ねぇ〜。何か意外とシンプルで清楚な部屋ね』

「先輩、意外って失礼っす!」

陽菜『本当のことでしょ!んっ?』

先輩は机に置いてある写真を手に取った。

陽菜『ちょっと!この人、ちょーかっこいいじゃん!』

「えへへ(*´ω`*)かっこいいでしょ!?」

陽菜『ま、まさかこの人が?』

「まぁね(^ ^)私の彼氏で秀ちゃん!」

華『鈴は乙女だったんだねwww』

私たちが盛り上がって話していると、先輩たちが私たちの部屋に入ってきた。

翼『ここが鈴の部屋かぁー(^ ^)意外と清楚でシンプルだな』

「何か言った?」

翼と痴話喧嘩していると、陽菜が裂くように話を出してきた。

陽菜『ねぇ、これ見てよ!鈴の彼氏だって』

陵・翼『はぁ!!?』

翼と陵先輩は写真を陽菜からとって、顔に近づけた。

天『……。』

翼・陵『ま、マジか…。』

「どうしたの?」

翼・陵『『なんでもない…。』』

陵先輩と翼はしょんぼりしながら、写真を天先輩に私の部屋から出て行った。

陽菜『ははーん!あの2人鈴に彼氏が居るって聞いてかなり落ち込んでるね笑笑』

「何で?」

私と陽菜先輩と話していると、天先輩が声をかけてきた。

「天先輩、どうかしました?」

天『お前、こいつの名前なんて言うの?』

天先輩が写真を私に見せて聞いてきた。それに何で手が震えているのか。

「え?」

天『こいつの名前なんて言うんだよ!!』

天先輩が怒鳴って聞いてきて、陽菜先輩たちがびっくりしている。

陽菜『な、なにヤキモチ妬いてるの?』

天『陽菜、てめぇ少し黙れ!今、俺が話してるのはこいつだよ!』

陽菜『ご…ごめん』

陽菜先輩たちは私の部屋を逃げるように出て行った。

天『で、誰だ?』

「き…霧切秀馬」

天『き…霧切秀馬だと?』

私が秀ちゃんの名前を言った瞬間に天先輩の顔色が変わった。

天『この写真にお前と写ってるやつは、俺の兄貴だ!!』



え…




え…





嘘だよ…



天先輩が秀ちゃんの弟なわけない…



「嘘だよ…だいたい名字が違うじゃない!!変なこと言わないでよ!!」

天『再婚して霧崎になったんだ!!』


違う…



違う…



秀ちゃんが天先輩のお兄ちゃんな訳ない…



息が出来ない…


誰か助けて…



鈴兄『どうした!?そんな声を荒げて!』



私は涙が止まらない…



鈴兄『おい!お前!鈴を泣かせるんじゃねぇよ!!』


「いやぁぁぁ〜〜」


私は現実を受け止められずに飛び出した。


鈴兄『お、おい!!鈴!!』

ドンッ!!

天『くそっ!!』

鈴兄『おい。てめぇ、いくら鈴のダチだからって許さねぇからな!!』

パシッ

天『離せよ…。まさか俺の兄貴が七瀬の彼氏だったとはな…。なぁ、龍兄…。』

龍『鈴の彼氏が兄貴…?』

天『霧切秀馬は俺の兄貴だ…。』

龍『秀の!!お前、天か!!』

ダダダダッ

陽菜『ちょっと!今、鈴が出て行っちゃったんだけど』

龍『ま、まさか!!天、鈴に話したのか?秀と兄弟ってこと』

天『あぁ』

龍『ちっ…。蘭香ー!!ちょっと来てくれ!!』

パタパタ

蘭香『兄貴どうした?』

龍『至急、鈴を探してくれ!!』

龍は蘭香に説明をして、表情が硬くなり家を出た。

陽菜『そんなに慌てなくても、そのうち帰ってくるんじゃ…。』

龍『慌てるよ!!鈴は秀がこの世から居なくなった頃、自分の身も捨てようとしたんだ!!』

華『あの世って…どう言うこと…?』

龍『鈴の彼氏の秀は、鈴を庇ってこの世を去ったんだ…。』


つづく…
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