天国からの贈り物 上期
3月 私の進むべき道

私は七瀬 鈴(ななせ すず)有名な極道の娘。


中学時代の私は不良でした。

小学生のときに私のせいで大切な人を失って、生きることが辛くなった私。
何度もこの世を去ろうとする私を止める家族。

そして、お兄ちゃんはあたしに身を守るための技を教えた。

中学時代にはトップを張るくらいの実力。
私は荒れまくっていた。

私はぽっかり空いた時間を過ごしていたとき、大切な人の言葉を思い出した。

『鈴、俺さぁ音楽教師目指すことにしたんだ』

あたしは何故今、この言葉を思い出したのか戸惑っていた。

この言葉を聞いたのは、大切な人が亡くなる1年前。
大切な人はピアノがとても上手だった。私も教えてもらって弾いていたけど、その人のようには弾けなかったけど楽しかった。
そのとき、その人から音楽教師になると聞いた。凄くカッコ良くてあたしは喜んだ。

私は大切な人と違う楽器で何かを奏でたいと思い、お兄ちゃんの知り合いの人にヴァイオリンを教わった。

そしてヴァイオリンが上手になった日、どうしても大切な人と遊びたいとねだったが、その人は大切な用事があるから帰って来たらと約束した。
だが、その約束は果たされなかった。

そんなことを今、思い出した。
大切な人は音楽教師という夢も叶わないままこの世を去った。それもこれもあたしのせい…。

「秀ちゃんが生きてたら、今頃ベテランの音楽教師になってたのかなぁ。あたしも秀ちゃんの授業が受けたかったなぁ。」

大切な人とあたしを繋いでくれた音楽…。

繋いでくれた音楽…。
繋いでくれた音楽…。
繋いでくれた音楽…。

っ!!!!

私はこの時、気づいた。
繋いでくれた音楽だから、音楽のある道を歩み進むことを。

お兄ちゃんたちに敬意を伝えたら
『そっか。いいんじゃないか。』
と嬉し泣きしそうな声で抱きしめてくれた。

私は音楽に有名な学校を調べてみたけど、有名なところはみんな頭のいい学校だった。
意地でも自分レベルの学校で音楽が有名な学校をさがした。

そしてついに見つけた…
夢音学園 偏差値38
演奏部全国コンクール金賞受賞。

学生寮があってよかった。
県外の為、家から凄く遠いからだ。

そして私は新たなスタートラインにたった。

っと思っていた私は…
夢音学園の門の前ででどこから突っ込めばいいのかわからないくらいすごい光景が繰り広げられていた。

そして君と出会うことはまだ知らない私…。

つづく…
< 2 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop