天国からの贈り物 上期
4月 入学式の当日
ついに来た入学式。
8時45分に教室に移動して、9時30分には入学式が始まる。
現在の時刻…8時30分
寮から学校まで20分かかる通学路。
あたしは今…
起床しました…。
((((;゚Д゚)))))))!!!
遅刻だぁぁぁぁ(´・_・`)
あたしは急いで用意をして、ダッシュで学校へ向かった。
「よっと」
夢音学園は敷地がとても広い。
面倒くさくなった私は、学園の塀を飛び越え敷地に入った。
いやー本当に広いのよ(´・_・`)
今日は許してね。笑
「えっと…あたしのクラス…。」
クラスは…3組。
確認した私は教室に向かう。
えっ?時間間に合ったかって?
そんなのとっくに過ぎてます。
現在の時刻…9時ジャスト!!
ガラガラ〜〜
教室を開けると、ザワザワしていた教室が一気に静まりあたしに注目した。
まぁ、そうだろうなぁ。
髪の毛は真っ黒のおかっぱ
スカート丈も少し長く
いかにも真面目ちゃんの格好だから
『ぶっぷはははは』
『ちょっと、来る場所間違えたでしょ〜〜』
『今時、おかっぱって昭和〜〜。』
『あいつ、3年間パシリ決定だなぁ』
『3年持たないだろう』
みんな言いたいほうだいだなぁ。
まぁ、好きに言わせておこう。
あたしの机は…1番後ろの窓際。
っしゃ!!
と思うのもつかの間…
席についた瞬間、近くにいたクラスメイトが私を取り囲んできた。
『なぁなぁ、名前何て言うん?』
「七瀬 鈴です。」
『七瀬さんかぁ。俺らさぁ、お友達になってあげるよ』
「そうですか」
『だからさぁ、とりあえずお金貸してくれない?今月使い過ぎちゃって…』
さっそく来ました。友達だよなのカツアゲ。
つか、馴れ馴れしく肩まで掴んでくる。
「あの〜」
『なんだぁ?』
「すみませんけど、私は別に友達はいりません。てか、あまり興味ないです。パシリたいのであれば、他の方にお願いしてみてわ?」
私が怯えて金を渡すのかと思ったのか、みんな私の言葉に唖然としていた。
「私は、これから入学式なので、失礼しますね。」
そして私は教室を出て、体育館に向かおうとしたが止められた。
『なっ舐めてんじゃねーぞ、こらぁ。』
私の胸倉を掴んで怒鳴ってきた。その男はたぶん怒鳴れば、流石にびびると思ったのだろう。
凄い万遍な笑みで見てきた。
『片倉〜〜怖〜〜。その子泣いちゃうんじゃない笑笑』
どうやらこの人は片倉というらしい。
てか、泣く?泣くわけないじゃない。全然怖くないもの。
『ほら、さっさと金だせやぁ〜〜』
面倒くさぁぁぁ〜〜(´・_・`)
「嫌ですよ」
『はぁ?てめぇ、ぶっとばすぞ』
彼は殴ろうと腕をあげて、私にめがけてきた。
私は頭を押さえ、彼の拳を交わした。
クラスの人たちは私が交わしたことに驚いている中、私は体育館に移動した。
入学式が始まったが、在校生も新入生もほとんど参加しておらず、出席してても喋りか寝てるか…。
入学式からこんな感じだと…無理なんじゃない?
秀ちゃん…私に出来るかなぁ…。
この学校で仲間をつくって音楽を奏でること…。そんなことを考えながら入学式が終わり、教室に戻った。
クラスメイトたちは、私が戻るなり腕を掴んで窓際まで、乱暴に叩き付けられる。
「っ〜〜!何するんですか?」
『何ってこのクラスのサンドバックだよ』
サンドバック?女相手に?バカなんじゃない?
呆れた私はもう、今日は学校が面倒くさくなった。
「女相手に暴力って、よく雑魚の不良がすることだよ」
『てめぇ!』
いきなり殴りかかってきたので、その拳を片手で受け止めたが、窓際なのを忘れてた私はバランスを崩し窓から身を出された。
彼はえっ?っていう顔をしていた。
私は瞬時に身の回りを確認して、木を手にかけて着陸しようとしたが…
「えっ!?ちょっちょっとどいてっ〜〜(´・_・`)」
木の下に男の人がたっていた。
もう言ったころには遅く、覚悟していたが…。
ドサッ
あたしはゆっくり目を開けると…私はお姫様だっこ姿で抱えられていた。
『おい…』
彼の声に我に帰った私は、急いで彼の腕から離れた。
「すっすみません。ありがとうございます」
『許すわけないだろ?俺が怪我したらどうする…。』
お前かよっ!!
この学園は自分のことしか考えられないのか
そう思った。
「貴方がそんなところに立ってるからじゃないの!?てか、普通は上から落ちてきたんだから心配の1つしたら?」
『心配する価値もねぇよ』
はぁ〜〜?ウザ〜(´・_・`)
「すみませんね。さっき、クラスの子たちと揉めてバランス崩して4階から落ちちゃって。ご迷惑おかけいましたー。失礼します。」
『はぁ?』
私は冷静になって適当にながして、その場を離れた。その人はちょっと待てといってきたけど、無視してダッシュでクラスに戻った。
荷物を取りに教室へ戻った私、相当イライラしてます。それを知らないクラスのやつらが近寄る。そろそろ限界に達した私。
『さっきみたいになりたくなかったらー「黙れよ…。」』
『はぁ?』
「黙れよって言ったんだよ。私が下手に出てることをいいことに、ごちゃごちゃと…。」
私の言葉に唖然とするクラスの人たち、片倉は私の顔みてびくっとしていたのがわかる。
『なっ何生意気なこと言ってんだよ。そっそっそんな言葉遣いしても、いびられるのは変わらないのによ。マジで✖︎◯※』
私は片倉の口元を思いっきり掴んで壁に、叩きつけた。
「うるせぇーよ。てめぇらなんかちっとも怖くもかゆくもねぇんだよ。いい加減黙らねぇとこの口で喋れねぇようにしてやんぞ。」
私の言葉遣いを聞いて、騒いでたクラスメイトが一気に静まり返った。私は片倉の口元を離して教室からでた。
「やっちまったぁぁぁ!(◎_◎;)」
寮についた私はベットに倒れこみ叫んだ。
寝坊した上にクラスの人たちにあんな言葉遣いを…。入学して初日でやらかすなんて…。
これじゃ、中学時代と何も変わらないじゃん。
頭を冷やすのに、昨日の夜に行った池に行くため部屋をでた。
「桜かぁ〜。秀ちゃん…秀ちゃんがいない桜をもう7年。私は秀ちゃんみたいに変わることが出来るかなぁ。」
私は呟いた後、ヴァイオリンを弾き始めた。
〜♪〜
この曲は秀ちゃんが、最後にくれた曲〜。
「秀ちゃん…。」
私はヴァイオリンを弾きながら、涙を流していた。
ガサガサ
「っ!!」
私はガサガサっと音にびっくりして、振り返る。そこには1人の男の人がでてきた。
『何している…ってお前は昨日の…』
その人は昨日の夜ここであった人だった…。
それとさっきも会っている。
んっ?だれだって?
それはさっきお姫様だっこしたあげく、人よりも自分の身体を心配した最低な男だ。
「どうも。」
さっきのことを思い出して、イラッときた私はつーんとした返事を返した。
『どーして、昨日助けた?』
「はい?なんのことですか?」
『昨日、俺が刺されそうになったとき助けただろ?』
「別に助けたつもりないですよ。木の根につまずいて転んだ反動でケースが飛んだだけ。」
私は質問に普通に答えた。
てか、さっき会ったのに気づいてもいない。
ん?なぜか?
それはさっきとは全然格好が違うし。
髪の色は赤髪のロング
制服はさっきと正反対の感じ。
普段の私は中学時代のまま。こっちの方が気楽なのだ。ちなみに黒髪のおかっぱ頭はウィッグです。
『躓いた反動で思いっきり当たるか普通…。』
「ダイナミックに転んだので…。」
『フッ。ドジ…。』
何が面白いのかわからないが、バカにしてるのはわかった。
本当に最低な男だわっ!!
「幸せそうでいいわね。あんた。」
憎たらしく私は男に向かって言った。だか、その言葉を言った瞬間、男の人の目の色が変わった。
『お前に何がわかる?!次、その言葉言ったらお前が女でもタダじゃ済まさねぇからな。』
彼はそう言って私の胸倉を掴んだ手を離して、その場をさった。
私はここにきて初めて恐怖で身体が震えた。
一体、この人はどんな生活をしてきたのだろう
そして、私の学校生活はどうなるの??
つづく