天国からの贈り物 上期
初めて出来た友達
入学式してから2週間がたった。
クラスメイトの人にはあれ以降、関わって来なくなった。
そして、あの池で会った嫌な奴とも会っていない。別に会いたい訳ではない。
あたしは音楽室を使わせてもらうために、職員室に向かった。
この学園は、音楽室だけは頑丈なセキュリティが掛かっている。寮の管理人さんによると音楽室だけは荒らされたくないと思った学園長が、自腹で許可なく入られないように特殊の鍵と特殊の壁にしたらしい。
「失礼します。」
職員室に入って、担任の先生に音楽室を使わせて欲しいとお願いした。
てか、初めて普通に職員室に入った気がする。
前〝失礼します″なんて言ったことも、職員室に入ったこともなかったよ。
『悪いが、俺には許可権はない。音楽室の鍵を持ってるのは学園長だからな。』
断られた…。
マジかよ…。
「先生、お願いします。音楽室を使わせて欲しいと学園長に言ってもらえませんか?」
あたしは必死にお願いした。
音楽室を使えないんじゃ、この学園に来た意味がなくなる。
『なんでそこまで?』
「私は、この学園で音楽を奏でるために来たんです。」
『ぷっあははは』
先生は爆笑し始めた。
私は、真剣に答えたのに何故笑うわけ?私はイライラを抑えながら先生を見つめていた。
『無理だろ!!だってこの学校不良だらけなんだぜ?あいつらが真面目に音楽を奏でられるとでも思ってんのか?そもそも、普通の学校生活も出来ないやつらが出来るわけない。』
先生は、私の事も学園の生徒も見下すように言い放った。
「そうですか。では、また改めて伺います。」
私はイライラを出さないように職員室から出ようとしたら
『そんなに音楽をやりたいなら、転校した方がいいぞ。お前なら真面目だから大丈夫だろう。』
なっ何様なんだこのセンコーは…。
本当にイライラする。
「失礼しました。」
私は、イライラし過ぎて泣きそうにながら屋上へ向かった。
キィ〜ガシャン
ここなら誰もいないだろう。我慢出来無くなった私は屋上の外の壁に思いっきり殴った。
「あのセンコーは何様だよ!!ふざけんじゃねーよ。何がこの学園じゃ無理だよ。不良だらけなんだぜ?そんなのてめぇらの性じゃねーか。この学園の生徒をクズ扱いするからみんなグレちまうんだよ。」
私は全部愚痴を言いながら壁を殴ったせいで、屋上の壁が凹んでしまった。
「屋上の壁よ。許せ!」
壁に謝った私は、屋上からの景色をみた。
「わぁ〜凄く綺麗〜〜( ´ ▽ ` )ノ」
私は景色に感動してると、後ろから気配を感じた。振り向くと…
『あらら〜壁凹んでるよ〜。よくやったなぁ。Σ(-᷅_-᷄๑)』
「なっ何のこと?(╹◡╹;)!!」
やばぁぁぁΣ(゚д゚lll)
『…。』
「みっ見てた…?」
『バッチリ✌︎('ω'✌︎ )』
いやぁぁぁ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)最悪だぁ〜。
私はその場を走り去って、教室に戻った。
『面白いやつ…。』
教室に戻って、恥ずかしのを隠すために机に伏せた。相変わらず、クラスは騒がしい。
『おっ!!長須じゃーん。お前やっと学校きたか〜(^∇^)』
みんなが更に騒がしくなったので、顔をあげてみると…。
えっΣ('◉⌓◉’)
あ…あいつは…。
さっきのやつダァー( ̄◇ ̄;)
私は再び机に伏せた。
バレませんよーにバレませんよーに(>人<;)
『なぁ…。あいつは誰?』
『は?』
『あいつだよ…。机に伏せてるやつ。』
やばぁぁぁ( ̄◇ ̄;)
つか、気づくなよ(T-T)
『あ〜あいつはすっげーうぜぇやつ。地味のくせになぁ』
『ふーん。名前は?』
『えっと〜確か、七島 えっと凛そんな名前。』
ちっげーし!!
私は七瀬 鈴だよ!!てか、七しかあってねぇーよ( ̄◇ ̄;)
突っ込みを入れてると、頭の上から声がした。
『おい。顔あげろよ。』
「…。」
誰があげるかー!!
『寝たふりしても無駄だぞ?早くしないとお前の鞄と荷物窓から投げ捨てるぞ。』
『長須ーほっとけよ。』
クラスの人たちが止めてくれるけど、〝長須″って人は無視をして私の鞄と荷物を手にかけた。
「辞めてください…。」
私は弱々しく答えた。
『やっと顔あげたな……。ってお前さっきの…。』
「はい?さっき(・_・;?」
『さっき、屋上にいただろ?』
「えっと〜何のことだかわかりません。さっきからこの机で寝ていましたよ?」
私は誤魔化し作戦にでた!
『ふーん…。じゃあ、何で俺のつけたシール付いてるの?』
えっ!?シール?
背中をみるとパンのシールが貼ってあった。
いつ付けたの?
っ!!ダッシュして教室に戻ろうとしたときに肩叩かれたときだΣ('◉⌓◉’)!!
「…(-_-;)」
『長須、お前こいつ知ってんのか?』
『あ〜さっきな屋上であったんだよ』
『そうか。』
『それがさぁーさっきなこいつが屋上の壁をー。』
私は慌てて長須の口を塞いだ。
「ちょっと来てっ!!」
私は長須の腕を掴んで人気のない場所まで行った。
『おっ何だ?俺に襲って欲しいのか?』
「ぶん殴るぞ(^^)?屋上の壁のことは言わないでよね。私は、この学園でやりたいことがあるんだから。」
『この学園でやりたいこと?天下でも取るのか?』
「違う…。てか、どこから見てたの?」
『あのセンコーは何様だぁーから』
「最初からかよ…。てか、この事は誰にも他言しないでね。」
『えっ?何で?良いじゃん!皆んな喜ぶと思うぞ?』
「私はここの生徒のために言ったじゃないよ。」
『俺は嬉しかったけどなぁ…。』
「えっ?(//ー//)」
私は何か知らないけど、ドキッとした。
『顔真っ赤(● ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾』
「〜〜っ(`_´)」
むっむかつくーなんなのこいつ!!
『でも、基本俺たちは馬鹿にされて来たからそう言って貰えるだけで嬉しんじゃね?』
「あっそ。でも、言わないで。私はどんなムカつく先生でもつるんで行かないといけないの。先生の耳でも入ったらどうするのよ」
『てか、ここの学園で何をやりたいわけ?』
「それは…音楽をするために…。」
長須は沈黙してしまった。やっぱり無理なのかなぁ。
『そりゃ、無理だなぁ…。この学園の生徒が音楽なんてやったら、楽器を破損しまくるだろ…。しかも、ここの音楽室は入れねぇし。諦めた方がいいー。』
ポタッポタッ
私はいつの間にか泣いてた…。
『おっおい!なっ何泣いてんだよ…。』
「……。なぃてなぃ…。」
『なっ泣いてんだろっ!おいおい。』
「きっ気にしないで…。」
私は必死で涙をこらえようとしてると、長須に腕を掴まれて抱き寄せられた。
『わっ悪かったって。だから、泣くなよ。』
私はびっくりして硬直していた。
でも、長須は意外に優しくて、困ってる人をほっとけないやつなんだなぁ。
「ごめん…。ありがとう…。」
『大丈夫かぁ?』
長須は心配してくれた。何か嬉しくなった。
「うん…。ありがとうヽ(*^ω^*)ノ」
『っ(//_//)!!』
「どうしたの?(・・?)」
『なっ何でもねぇーよ。取り敢えず、あの事は言わないでやるよ。』
「本当!?」
『あぁ。』
私はお礼を言いながら、抱きついた。
長須の顔が真っ赤なのも気付かずに…。
『とにかく、センコーの言葉は気にせずに頑張ってみれば?ここで音楽をやる事。』
「ありがとう。」
『そういえば、2年の知り合いにピアノが弾けるやついたなぁ…。』
「えっ!?ほっ本当!?」
えっうそー!!
『あっああ。でも、やるかどうかは…』
「誰々!?!?何て名前?」
『き…霧崎 天だけど…。』
「くっクラスは!?」
『それは知らん!!てか、あいつは絶対やらねぇよ』
「なっ何でそんなことわかるの?」
『あいつはここの頭張ってるからなぁ!!』
頭張ってるって…ここの天下か!
マジか…。
「そっそうなんだ…。」
『じゃあ、後で会わしてやるよ!七島?』
無理じゃん!!無理だよね〜〜。
『七島!!』
「っ!!あっ私??」
『それ以外誰がいるんだよ(-_-;)』
「私は、七島じゃなくて七瀬 鈴!!」
『でも、さっき片倉たちが…』
「七は合ってたけどね、、」
『悪いな〜あっ俺はちなみに、長須 翼な( ̄∇ ̄)翼でいいぞ!』
「じゃあ、私も鈴でいいよ^_^」
何かこの学園にきてまともに話したの初めてかも(´∀`)嬉しいわぁー
自己紹介が終わった私たちは教室に戻った。
『長須〜大丈夫かぁ?』
『何が?』
教室に戻ると皆んなが翼の周りに集まってきた。翼はみんなに好かれてるんだなぁ。
『地味なやつに襲われなかった?』
はぁ?だっ誰が襲うかぁ〜〜。
てか、普通逆だろ!!
『てか、鈴はいい奴だったぞ?』
『鈴?!!』
急に名前を言われて、翼の顔を見てたのしまった。
私が〝いい奴″?何か嬉しい。
『俺と鈴は友達になったからなぁ』
『えっ?』
「えっ?友達…?」
『何で鈴まで驚いてんだよ!』
照れ臭そうに突っ込んできた。私はその言葉が嬉しくてニヤけてしまった。
「ありがとう 翼!」
『あぁ( ̄▽ ̄)』
秀ちゃん…
今日は最高の日になりました。
音楽の仲間はまだ見つからないけど、私には…
初めての友達ができました(*´꒳`*)
つづく…