always lovin' you ~愛をとめないで~
「自分で掴み取れ…か…。」

私は、あれから水瀬愁の言った言葉を繰り返し考えていた。自由になりたくて…透とずっと一緒にいたくて今を必死に頑張ってる。なのに、今日も気づいたらアイツの背中を斜め後ろからずっと見ていた。

(それもこれもアイツがあんなこと言うから!私は、早く自由になって透とずっと一緒にいたい)

「透…会いたいよ…」

そんなことを考えてたら家に着いたというのに家の前から足が動かず、中に入る気にはなれなかった。ここ数日、何も食べる気がしなくて食事もまともにしていなからそろそろヤバイかなとは思う…けどやっぱり身体は中に入ることを拒んでいる。

(仕方ない…少しブラブラしてから帰ろう…)

私は、来た道を引き返すように家から遠ざかった。…のは良いけど、行く宛があるはずもなくブラブラしているとだんだん疲れてもくる。

(でもどうしよう…帰りたくない…)



ポツ・・・ポツ・・・ポツ・・・



「雨…さすがに帰らないと傘ないし」

やっと帰る気になって、帰ろうと辺りを見渡すと…

(ヤバイ…ここ何処?)

取り敢えず引き返そうにも土地鑑がない私は、ドツボにはまってし待て気づいた時には意識を手放してしまっていた。


「は?なんでコイツがこんなとこにいるんだ?」

「どうかなさいましたか?坊っちゃん。」

「いや…こんなとこに俺のクラスメートが倒れてやがった。この雨だ。悪いがコイツを空いてる部屋に運ぶ。」

「かしこまりました。…!!坊っちゃん、その方は…」




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