always lovin' you ~愛をとめないで~
(煩い…)

そう思いながらも声のする方に視線をやるとそこには、水瀬愁がどこからか教室へ帰ってくるところだった。
廊下を歩くだけであの歓声を浴びているというのに当の本人は鬱陶しさどころか、さも当然のように堂々としている。

(ある意味大物ね…それより…)

「何か用?」

口元だけで笑顔を作って横目でこっちに歩いてきた人物に話をかける。

「いや、お嬢ちゃんも水瀬が気になるんかな?と思うて」

「別に。いきなり廊下の方が煩くなったから何事かと思ってみただけよ」

「煩いって…水瀬目の前に冷静にそんなこと言うのお嬢ちゃんくらいやで?なんせ。天下の水瀬財閥の跡取り息子やさかいな。」

(知ってる…)

「それより、貴方、大阪弁だけど関西出身?」

「あぁ。まあなんや、色々あって此処が面白そうやったから此処にしたんや。」

「ふ~ん。」

「おい、洲凰」

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