危険地帯





それからしばらくして、私は博さんのカフェを出た。


家に帰ろうとしていた時。



――私の運命は、狂い出す。



カフェのすぐ近くの路地裏から、耳を突き刺すような鈍い音が聞こえてきた。


ドカッ、ドスッ、と誰かを傷つけている音。


嫌な予感を感じながら、その音のする方へ恐る恐る近づいてみる。



薄暗く狭い路地裏を覗くと、視界に入ってきたのは栗色の髪をした一人の男をいじめる三人の不良。


暴力を振るわれている男はもうピクリとも動けないくらい傷だらけなのに、不良達は遊び足らない様子で男の背中を蹴ったり、鉄パイプで殴ったりしていた。



……怖い。


足がすくんで、動けない。


どうしよう。



「そうだ、警察」



警察に連絡すれば、なんとかしてくれるはず。


私は震える手で携帯を操作する。



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