危険地帯



最初は順調に元黒龍の人を倒していた三人だが、やはり人数が多いのが原因なのか、疲れが見え始めていた。


三人が息を乱す姿を、初めて見た。



三人とも苦戦している……。


この調子で、勝てるの?



「はぁ……はぁ……」


「もう疲れたのか?」


「は?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ。これで、下っ端の奴らは全員倒したぜ?」



龍司という人の挑発に深月は、今闘っていた元黒龍の人の顔面を手の甲で強く叩きながら、面倒くさくなったのか敬語ではなくタメ口で言った。


汗を拭い、余裕そうに笑った深月。


龍司という人は、不愉快そうに顔を引きつらせる。



「疲れてるくせに、見栄張ってんじゃねぇよ!」



そう声を上げた龍司という人は持っていた鉄パイプで、廃ビルのガラス張りのもう既に割られている部分をもう一度割った。


半壊していたガラスが完璧に破壊され、粉々になってしまった。


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