危険地帯
けれど、気が動転していたのか、手が滑って携帯を地面に落としてしまい、カシャンッ、と音が立つ。
そのせいで、不良達に私が見ていることがバレてしまった。
「!」
三人の鋭い瞳が、一斉にこちらを向く。
嫌だ、そんな目で見ないで。
怖い……!!
一歩退くこともできず、怯える私。
「見られちまったか」
夜の闇に浮かんで見えるアッシュゴールドの髪をした人がそう呟いて、私との距離を詰めていく。
私の目の前に来た不良の薄い黒の瞳が、私を捉える。
「運悪いな、あんた」
「ひっ……」
ニヤリと笑いながら言う目の前の不良。