危険地帯
このまま、三人は負けてしまうの……?
チラ、と律と司を見る。
二人とも、もう闘う力も、深月を助ける力すら、残ってなさそうだ。
あの三人が負ける。
想像すらできなかったことが、起きようとしている。
どうして、私はこんなにも三人を心配しているんだろう。
「これで終わりだ」
口角を上げて低い声で言った龍司という人は、きっと思ったはずだ。
すぐ目の前に勝利の二文字は見えている、と。
俺達の勝利は確実だ、と。
月の光しかない、街外れ。
闇色を纏う黒龍のたまり場で、明日が来る前に、ひとつの闘いが終わりを迎えようとしていた。
龍司という人は鉄パイプを物凄い勢いで振り下ろし、深月に止めを刺した。