危険地帯
すると、グウ~と誰かの腹が鳴った。
シーンと静まり返った地下に、深月の咳払いが響く。
「腹減った」
ポツリと呟いた深月の耳は、少し赤くなっていた。
律はそんな深月を見て、フッと笑う。
「何食いたい?」
「んー……じゃあ、ラーメン」
料理は俺の役割だ。
羽留の手当てが終わり、羽留に一言礼を言ってからキッチンへ行く。
ラーメン、か。
それなら、“あの日”と同じように、深月は醤油で俺は塩だな。
羽留と律は、何がいいだろう。
慣れた手つきでネギを切って、麺を茹でて、スープを作って。
“あの日”に戻ったように、ラーメンを食おう。