危険地帯
オレンジ色の髪をした人の瞳に、私が映る。
彼の瞳の奥の私の顔は、青ざめていた。
「リーダー!司!起きたよ~」
オレンジ色の髪をした人は、私の髪から手を放し、後ろを向いてそう言った。
リーダー……?
「やっとか」
「待ちくたびれたぜ」
私が目覚めた報告を聞いて、奥にあるソファに座っていた不良二人が私に近づいてきた。
私の目の前に来てしゃがんだ、私を殴った人。
「さっきはごめんな。いきなり殴ったりして」
私のお腹を躊躇なく殴ったオールバックのヘアスタイルの人の言い方は棒読みで、謝られている気が全くしなかった。
「でも、ああするしか思いつかなくってさ」
ははっと笑いながら言うオールバックの人に、私は何も言い返せなかった。