危険地帯



思ったよりも、声は震えていなかった。


でも、恐怖心は変わらず胸にある。



ここにいる三人の不良の視線が、さっきから私をグサグサと突き刺していて痛い。


私、これからどうなっちゃうんだろう。



それに、ここはどこなんだろう。


ビルの中?


窓は一つもない。前方にはテーブルが1つとソファが2つ、後ろに扉が3つある。扉のそのまた奥には、上に繋がる階段がある。


……ここって、もしかして地下?



「羽留、ね」


「あ、あの……」


「俺の名前は、」



腕を縛っている縄を解いてもらおうと勇気を振り絞って声を出したけれど、あっけなくオールバックの人の声でかき消されてしまった。




「相良 深月【サガラ ミツキ】」




この場所には似合わない、テーブルの真上にあるシャンデリアの光によって、オールバックの人……相良深月のアッシュゴールドの髪色がより一層明るく見えた。


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