危険地帯
ウソつき
次の日の夕方、黒龍に司が戻ってきた。
ひとつの噂を土産に。
「……サツが、俺らを?」
その噂とは、警察が黒龍に目をつけている、というものだった。
「繁華街で噂しているのを聞いたんだ」
「へえ」
「既に下っ端の一人が捕まったらしい」
深月の雰囲気が、刺々しくなる。
ハッ、と短く息を吐いた深月の瞳が、熱を帯びる。
黒龍の人が一人捕まった……!?
それって、かなり危ない状況なんじゃないの?
でも、暴走族はいくつもあるのに、どうして警察は黒龍だけに目をつけているんだろう。
「その噂について調べる必要があるな」
「俺も手伝う」
「じゃあ、僕も~!」
「律はここで留守番だ」
ソファから立ち上がった深月は、司と一緒に繁華街に行くようだ。
不満そうにブーイングする律。