危険地帯
「俺達さ、こう見えても不良なんだよねー」
相良深月は奥のソファに座って足を組む。
上から見下ろされているような感覚になり、私は肩をすくめた。
こう見えてもって、どう見てもそうじゃん。不良にしか見えないよ。
そう言える度胸があればいいのに。
「不良って言っても、ただの不良じゃねぇよ?」
――カチ、カチ、カチ。
どこからか聞こえてくる、時計の音。
あれ?そういえば、今何時?
「俺達、実は黒龍【コクリュウ】なんだよ」
「名前くらい聞いたことあるでしょ~?」
え?黒龍……!?
その名を聞いて、さらに恐怖心が募った。