危険地帯



幹部以上ってことは、相当強くて、黒龍の中でも一番危険ってこと、だよね?


そんな人達に捕まってしまった私は、これからいじめられるのだろうか。


そしてここで……死ぬの?



「あはは!」



すると、なぜか私を見て笑い始めた相良深月。


なんで笑ってるの?



「だから、そんな怯えんなって。俺達は別に、お前をどうこうするつもりはねぇよ」



相良深月は、私を安心させるように優しく言った。


でも。



「俺達はただ」



その優しさはほんの一瞬で消え、相良深月の表情が獣のように豹変した。


ドクン、と心臓の奥が嫌な音を立てて跳ねる。


今までの雰囲気とはまるで違う。



これは――殺気だ。




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