危険地帯
「あの人が、忍者なの……!?」
「そうだよ~。見つけるのに苦労したなあ」
「忍者が俺らの悪い噂を流してるってわかったから、口止めしに会いに行ったんだっけ?」
「そうそう~」
律と深月が笑い話のように会話する。
口止めするだけだったら、あんなに傷だらけにしなくてもよかったんじゃ……?
「忍者に会えたら、誰が深月の噂を流したのかわかるの?」
「あぁ、多分な」
「それくらい、忍者の情報網はすごいんだよ~。ただ、見つけるまでが大変なんだけどねぇ」
さっきも、見つけるのに苦労したって言ってたけど、どういうことなんだろう。
黒龍みたいに、たまり場のようなところがあるんじゃないの?
「忍者は隠れるのがうまいんだ」
「どうして隠れる必要があるの?」
「俺らみたいな族が自分に都合の悪い噂を流されないようにするために、よく情報屋を狙うんだ。だから、情報屋は姿を消して、自分の身と情報を守ってる」
大きく首を傾げた私に、司がわかりやすく教えてくれた。
情報屋って、危険なんだ……。
実際、黒龍に口止めと称して、リンチされてたし。