危険地帯
それじゃあ、どうやって忍者を見つけるんだろう。
隠れるのがうまかったら、探そうとしても見つけられないんじゃないの?
「前はたまたま路地をうろついてたら、見つけたんだよね~」
「まあ、今回も前回みたいにうまくいったら楽でいいけどな」
「忍者は喧嘩弱いから、一・二回殴ったら、噂を流した犯人を教えてくれそう~」
律と深月は、呑気にそう話していた。
「もしかしたら、忍者が犯人かもよ~?」
「ははっ、もしそうなら、たっぷりお礼しねぇとな」
笑い合う律と深月。
二人の会話の内容がだんだんと物騒になっていることに気づき、私はこれ以上聞くのをやめた。
真夜中の、真っ暗な空の下を歩いていくと、チカチカとネオンの光が見えてきた。
繁華街は、いつも通り、鬱陶しいくらい騒がしくて。
その分、光と闇の境目がはっきりとしていた。