危険地帯



喧嘩する気満々な深月。


けれど、神雷の総長は冷たい視線で深月を見る。



「前にも言ったが、闘う理由がねぇ」



神雷の総長は前回と同様に深月を相手にせず、「行くぞ」と神雷の人達に行って、深月の横を通り過ぎた。


しかし、深月が黙っているはずもなく、神雷の総長の腕を掴んで、行く手を阻む。



「また逃げんのかよ」


「逃げてなんかねぇ。ただ、無意味だっつってんだよ」



深月と神雷の総長の殺気が、バチバチと弾き合う。


禍々しい雰囲気が、二人を包む。



「恭弥、こいつを頼む」


「自分でやればいいじゃねぇか」



神雷の総長は恭弥という人にそう言うと、深月の手を振り払い、再び足を動かし始めた。



「おい、待てよ!」



神雷の総長を追いかけようとした深月の前に立った恭弥という人。


さっき神雷の総長が言った『頼む』って、深月を任せたって意味だったんだ……。



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