危険地帯
「ここ通せよ」
「無理」
深月が睨んでも、恭弥という人は退こうとはしなかった。
深月はチッと小さく舌打ちをすると、「あ、そうだ」と呟いてフッと笑みをこぼした。
――ドスッ!
突然、倉庫に響いたのは鈍い音。
深月が恭弥という人を殴った音だ。
恭弥という人は深月にお腹を殴られ、苦しそうに地面に膝をついた。
響いた鈍い音に反射的に振り返った神雷の総長は、倒れた恭弥という人を見て、カッと目を見開いた。
「これで、闘う理由ができたか?雅岳斗」
深月に鋭い視線を向けた神雷の総長は、さっきまでとは全く違う険しい表情をしていた。
神雷の総長の迫力に、足が震える。