危険地帯
――ゴーン、ゴーン。
グワングワンと揺れる脳内で、聞こえるはずがない、黒龍のたまり場の地下にある古い時計の音が流れた。
その音は、真夜中零時を私に知らせる。
暴走しかけた深月が、私の知っている深月に戻ってくれた。
そのことに安心したように、古い時計の音をこもり唄に、“私”は深い深い眠りに落ちた。
「羽留ちゃん!!」
「羽留っ」
しかし、雫さんと律の声で、すぐに意識を取り戻す。
目醒めたのは、私の“影”。
少し赤くなった目をパッチリと開ける。
真夜中零時、ワタシが覚醒した。
「……あらあら♪」