危険地帯
何度も、逃げようと思った。
でも、私は逃げて走って、どこへ向かうの?
帰る場所も、居場所も、どこにもないというのに。
「何、言ってんだよ」
「お願い」
もしも、望んでもいいのなら。
私は、深月と司と律のいるところに、行きたい。
そこが、闇にうもれた場所だとしても。
私にとってそこは、私なんかにも手を差し伸べてくれる、唯一の光。
「これからもそばにいさせて……っ」
頼りたかった。
すがりたかった。
誰でもいいわけじゃない。
深月に、司に、律に。
私のわがままを、迷惑かもしれなくても、受け入れてほしかった。