危険地帯



必ず、終わらせないといけなかった。


条件と誓いのある曖昧な、期限付きの関係を。



そして、あわよくば始まってほしかった。


期限のない、お互いに必要とする関係が。


私に、気づいてほしかった。


だんだんと大きくなっていた、黒龍の存在に。



本当は、もう一つ、気づいてほしいことがあったんだけど。


さすがに、期待しすぎてたみたいね♪



――ワタシの役目は、残りわずか。



もう少ししたら、長い長い夢のような時間に、さよならをしなければいけない。


喜ばなければいけないことなのに、寂しいわ♪



あぁ、ほら。


タイムリミットが、短くなってきている。



“私”が過去の悲しみを乗り越えて、大切な人に笑顔を向けられる日は、そう遠くはない。



ワタシは、私が幸せに生きてくれさえすれば、それだけで幸せなの。


黒龍の三人も、きっと同じはずよ♪



< 318 / 497 >

この作品をシェア

pagetop