危険地帯






久し振りに戻った家は、意外と綺麗だった。


私は、自分の部屋に行って、リュックに財布と着替えと、少ししか手をつけていない夏休みの課題を詰め込んだ。



「私の部屋も、綺麗だな」



整理整頓までされている。


お父さんが、したのかな。


……それは、ないか。


お父さんは、家事なんてできないもんね。


私がいつも、やっていたんだ。



自分の部屋からリビングに移動すると、ダイニングテーブルにラップがかけられた皿があった。


皿はひとつじゃなくて、いくつもあって。


皿の中には、美味しそうな料理が盛り付けられていた。



「量多いな……」



これ、全部お父さんが食べるのかな。


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