危険地帯
白クロ
――次の日、私達は異変を知る。
「廃ビルの中を見てきた」
「どうだった?」
夕方頃、たまり場とその周辺を一通り見てきた司が、地下に戻ってきた。
昨夜、見張り役がいなかったことを不審に思った深月が、司に頼んだんだ。
黒龍の状況を調べてきてくれ、と。
「下っ端が、少なくとも30人近くいなくなってる」
「それは、今日たまたまたまり場に来てないってだけじゃなくて~?」
「いや、下っ端の奴に聞いてみたら、ここ最近、人が少なくなっていったらしい」
律の質問に、司は調査してきたことを踏まえて答える。
30人も……!?
一体、何が起こっているの?
「どうやら、もっと詳しく調べてみる必要がありそうだな」
頬杖をつきながら、真剣な顔で言った深月。
司と律は、その意見に同意するように頷いた。