危険地帯
そして、深月達は私も連れて、繁華街に向かった。
理由はただひとつ。
黒龍の異変と、とある売人について調べるため。
繁華街に流れている噂や、路地裏での不良同士の会話。
情報となるものは全て、知っておきたいらしい。
深月と私、司と律の二手に分かれて、“答え”に繋がる手がかりを探し始めた。
私も同行するとは思わなかった。
それくらい、今は人手が欲しいのかもしれない。
深月のやや後ろを歩きながら、ふと、昨日の忍者の言葉を思い出した。
『でも、親友に裏切られたなら、仕方ないかー』
私は、深月のことを何も知らない。
だからだろうか。
こんなにも、気になってしまうのは。
『信じて裏切られて、終わりだ』
黒龍と神雷が対立したあの日、深月が吐いた声が、私の胸を深くえぐった。