危険地帯
神雷も、私と同じような予感を感じているのだろうか。
狂った運命が、さらにねじ曲がってしまう予感。
それから、何かが変わりそうな予感。
できたら後者の予感が、当たってほしい。
……なんて、ね。
願ったって、無駄だ。
私の希望を誰が叶えてくれるというの?
「忍者は、羽留の何が知りたかったんだろうね~」
路地裏から、繁華街の近くの通りに出る。
忍者の情報網なら、私のことくらい、すぐにわかったはず。
それなのに、忍者は私の情報を一つ欲しがった。
私の、他の人にはない特殊な情報が、聞きたかったのだとしたら。
考えられるのは、ひとつしかない。
忍者が欲した情報は、きっと、もう一人の私……アイツについて。